動脈硬化予防
 

 

 

高血圧症

 

[説明]

心臓が収縮すると、全身に血液が送り出され、血圧が最も高くなります。

これを収縮期血圧、あるいは最大血圧といいます。一方、心臓が拡張する時の血圧を

拡張期血圧あるいは、最低血圧と言います。

 

わが国の高血圧患者は、約4000万人にのぼると言われています。また、高血圧症の患者さんは

加齢とともに割合が多くなっています。たとえば、60歳代では、約60%の人が高血圧です。

 

 

 

高血圧は、いかなる値からいうのでしょうか?高血圧症ガイドライン2009(下表)によると

診察室の血圧で、収縮期血圧(最大血圧)140mmHg または、拡張期血圧(最低血圧)90mmHg

の場合、高血圧の可能性が高いと考えられます。

家庭で測定した場合の高血圧の診断は、収縮期血圧(最大血圧)135mmHg または、拡張期血圧(最低血圧)85mmHg

と診察室の血圧より5mmHg減じて下さい。

 

分類

収縮期血圧

 

拡張期血圧

至適血圧

<120

かつ

<80

正常血圧

<130

かつ

<85

正常高値血圧

130-139

または

85-89

T度高血圧

140-159

または

90-99

U度高血圧

160-179

または

100-109

V度高血圧

≧180

または

≧110

(孤立性)収縮期高血圧)

≧140

かつ

<90

 

 

降圧目標ですが、一般的に140/90mmhg以下と考えていいのですが、下の表の様に

糖尿病や慢性腎臓病(CKD)を合併する場合などは、130/80mmHg未満が目標となります。

 

 

 

診察室血圧

家庭血圧

若年者・中年者

130/85mmHg未満

125/80mmHg未満

高齢者

140/90mmHg未満

135/85mmHg未満

糖尿病

CKD患者

心筋梗塞後患者

130/80mmHg未満

125/75mmHg未満

脳血管障害患者

140/90mmHg未満

135/85mmHg未満

注意)診察室血圧と家庭血圧の目標値の差は、診察室血圧140/90mmHg、家庭血圧135/85mmHgが、

高血圧の診断基準であることから、この二者の差を単純にあてはめたものである。

 

 

「健康日本21」によれば、国民の収縮期血圧水準2mmHgの低下で、脳卒中罹患率は6.4%の低下が、

虚血性心疾患罹患率は5.4%の低下が期待できるとの事です。

血圧を目標まで下げる目的は、これらの結果からも明らかでしょう。

 

 

 

 

上の図は、有名な久山町の研究ですが、血圧が高くなるほど、脳梗塞の発症率が高くなっています。

逆に言うと血圧の管理が適切であれば、脳梗塞の発症が防げた可能性があると言うことです。

 

 

また、下の図は外国のデータですが、血圧が高くなると、心血管系疾患死は増加しますが、さらに糖尿病を合併してくると、

さらにその数が増加してくることを表しています。

多くのデータが、動脈硬化を予防すること、つまり高血圧症、糖尿病などの疾患の治療の大切さを表しています。

 


Stamler Jetal:Diabetes Care 16:434-444,1993

 

最後に隠れ高血圧症について述べましょう。早朝の血圧は高いが、病院での測定では正常な方を早朝高血圧症(隠れ高血圧症)

といいます。動脈硬化のリスクは、通常の高血圧症の患者さんと同じ程度といわれています。つまり、治療が必要です。

病院での血圧測定だけでは、見逃される可能性があり、自宅での血圧測定の重要性を強調したいと思います。

 

 

 

 

〒819-0006 福岡市西区姪浜駅南1-4-1 TEL:092-892-4039
Copyright (C) 2008 Matsumoto Clinic All Rights Reserved.    powered by 株式会社REAL.