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肥満症
「肥満」は、体に脂肪が余分についた状態です。脂肪はエネルギーとして利用され、本来は大切な組織 だと言えますが、現代の『過剰摂取』 『運動不測』の時代では多くは害をなすと言えます。
では、肥満の診断はどうするのでしょうか? 医学的には、BMI(body Mass Index)という示標を使います。 計算式は簡単です。
一度自分のBMIを知りましょう。BMI25以上が肥満と判断されます。
日本では肥満度2以上の高度肥満ではなく、肥満1度の軽度肥満の割合が高いと言われています。 また、軽度肥満でも、糖尿病、高血圧症、脂質代謝異常症を発症する可能性があります。
肥満は、内臓脂肪型肥満(りんご型)と皮下脂肪型肥満(洋梨型)に分ける事ができます。 このうち、内臓脂肪型肥満は、血圧、血糖、中性脂肪などが高くなりやすく、それぞれは軽度でも、重なると心筋梗塞や脳梗塞を起こす リスクが高くなります。そのような病態がメタボリック症候群と名づけられました。基本的には、インスリン抵抗性が病態の基本です。 腹部CT検査をして、内蔵脂肪量が100cm2以上を腹部肥満とすると、それにほぼ一致するのが、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上 ということです。このような人はメタボリック症候群の可能性があるということです。 内臓脂肪型肥満からメタボリック症候群に進行すると考えていいでしょう。 内臓脂肪型肥満の頻度は、年齢と伴に増加します。全体では、男性26.4%、女性の8.8%が相当するといわれています。
繰り返しになりますが、このような内臓脂肪型肥満があると、糖尿病、脂質代謝異常症、高血圧症などを起こしやすくなるといわれています。 下の表のように、それぞれが軽くても、リスクが集積することで、心筋梗塞や脳梗塞など心血管イベントが急激に増加するのです。 Nakamura T et al:Jpn circJ 65:14,2001より改変
しかし、皮下脂肪型肥満より、内臓脂肪型肥満のほうが運動、ダイエットの効果があがりやすいといわれています。 早めに治療することによって、動脈硬化性疾患を予防する事ができると考えられます。
予防医学という側面から、内臓脂肪型肥満の診断、治療は重要です。 しかし、高血圧症、糖尿病、脂質異常症は、それぞれが独立した病気であり、多くはメタボリック症候群を経由して発症するのではない ことも注意していて下さい。 ところで、皮下脂肪型肥満は治療しなくてもいいのでしょうか?。糖尿病、高血圧症、脂質異常症、就寝時無呼吸症、膝関節症などを 伴っている場合は、食事療法や運動療法などの治療が必要です。 しかし、皮下脂肪型肥満は、比較的動脈硬化との関連性は低いと言われています。 ※メタボリック症候群の診断基準を記載しておきます。
(CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行う事が望ましい。)
最後に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)について簡単に説明します。睡眠時無呼吸症候群は、肥満傾向のある中年男性に多い のですが、子どもや女性がかかることみあり注意が必要です。症状は、いびき、日中の眠気、起床時の頭痛、睡眠時に目が 醒めるなどです。 睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病と密接に関連しています。 例えば、高血圧症は2倍、狭心症・心筋梗塞は3倍、脳血管障害は4倍、糖尿病は1.5倍という報告があります。
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