動脈硬化予防
 

 

 

喫煙病

 

日本で喫煙している人の数は、減少傾向にありますが、まだ先進国間ではトップの位置を占めています。

多くの人がタバコの害について知っていると思いますが、具体的に知ると唖然とするでしょう。健康被害から美容被害まで枚挙に

いとまがありません。WHOはたばこを「法律で禁止されていない唯一の有害物質」とみなしているとのことです。

まずは、動脈硬化促進作用があります。糖尿病の患者さんがタバコを吸っていると、心筋梗塞の死亡リスクは2.6倍。

高血圧の患者さんがタバコを吸っていると脳卒中のリスクは3.8倍。高脂血症の患者さんがタバコを吸っていると冠動脈疾患による

死亡は1.8倍といわれています。

 

 

また発癌の可能性が高くなります。喫煙者は非喫煙者にくらべ、男性で4.5倍、女性では2.3倍 肺がんの

リスクが高いのです。また、男性の場合は喉頭がんで死亡するリスクは32.5倍という結果が出ています。

その他、食道がん、膀胱がん、なども関連があるといわれています。

また、吸っている本人だけではなく、受動喫煙者(非喫煙者がタバコを吸わされること)も死亡リスクが高くなります。

(図5-2)

 

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)も喫煙との関係が極めて高いのです。

COPD(シーオーピーディー)とは、あまり聞きなれない病名だとおもいます。90%以上はタバコが原因で起こります。

以前は肺気腫や慢性気管支炎といわれていました。

タバコなどの有害な物資を吸い込むことで気道や肺胞が障害を受け、空気の出し入れがうまくいかなくなる病態です。

その為、咳、痰、息切れが生じてきます。末期になると呼吸不全となり、在宅酸素などが必要になります。一番の治療は禁煙です。

喫煙者の5人に1人がCOPDになる可能性があります。現在日本人は推定530万人の患者さんがいると言われています。

その中で治療を受けているのは21万人(4%)に過ぎないのです。

 

 

検査は簡単です。スパイトメトリーという検査機械を用い、数十分で終わります。現在わが国のCOPDによる

死亡数は約1万人であり。疾患別死亡順位は第8位です。将来的には更に順位が上がる事が予想され

ている重大な疾患なのです。

 

最後に、禁煙のメリットについて説明します。禁煙は、いつ始めても効果があります。寿命が延長し、発癌のリスクが低下することが

分かっています。本人の為はもちろん、家族のためにも禁煙を強く勧めます。

 

 

 

 

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